障害年金における社会的治癒とは

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 武田彰弘

最終更新日:2023年03月02日

1 障害年金における「初診日」の重要性

 初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことを言います。

 障害年金を受給するには、「初診日」において、公的年金に加入していなくてはならず(年金の加入要件)、かつ、「初診日」の前日時点において、初診日の属する月の前々月までの保険料納付状況が障害年金を受給するための保険料納付要件を充たしている必要があります。

 また、障害年金の認定日請求を行う場合、審査の基準となる障害認定日は、原則として、「初診日」から1年6か月を経過した日とする扱いがなされています。

 このとおり、障害年金の請求においては、「初診日」の時期が非常に重要となります。

2「社会的治癒」とは?

⑴ 社会的治癒の意味

 社会的治癒とは、医学的には治癒に至っていなくても、一旦症状が軽快し、特段問題なく社会生活を送ることができていた場合は治癒したものとみなし、その後、症状が再発したとしても、再発した後の症状は警戒する以前の症状とは別だとする取り扱いのことを言います。

 

⑵ 社会的治癒が認められる場合の取り扱い

 社会的治癒が認められると、同一傷病でも、社会的治癒後に通院した日が「初診日」となります。

 その結果、社会的治癒前の初診日では保険料の納付要件を充たさなかったが、社会的治癒後の初診日には納付要件を充たすという方も障害年金の請求が可能になりますし、社会的治癒前の初診日では国民年金のみの加入であったが、社会的治癒後の初診日には厚生年金に加入しているという方は障害厚生年金の請求が可能となるといったような形で、社会的治癒前とは異なった請求ができる可能性が生じます。

 

⑶ 社会的治癒の判断要素

 社会的治癒が認められるか否かは、検査の数値が長期間にわたり正常値の範囲内であるか、薬を服用しているか、薬を服用しているとしても予防的なものに留まるか、通院の必要がないとの医師の意見が存在するか、健康な方と同様の社会生活を送ることができているか等、多種多様な要素を考慮して判断されます。

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